総務部
驚きの異動。さらに驚きのミッション。
自分に何ができるのか、と悩む日々。
社内の業務改革。一般的には、業務全体のことをわかっている中堅社員、もしくは若手とは言っても一定の経験を積んだうえで担うことが普通だろう。しかし、入社2年目でITに詳しくない高橋に、総務関連業務をDX化することで全社員の業務効率を改善する、というミッションが託された。会社の業務全体のことが把握しきれなくてもしかたがない年次だ。
「とにかく驚きました。しかも、いわゆるDX化(組織全体の業務プロセスのデジタル化)。私はITに詳しい訳ではないのに、なぜだと思いました」と高橋は当時を振り返る。まずは総務に関連する業務の洗い出しと、現状システムの把握。1年目は社内のイベント等の担当で、総務の知識もなかったため、そこからのスタートだった。
詳しくない人がやることに意味がある。
それが本当の、業務改革の始まりだった。
総務の業務を一通り確認すると、まったく使わない帳票が膨大にあることがわかった。そこで高橋は気づいた。「ある程度の経験があると、今を前提に考えてしまう。私は今のことがわからないからこそ、慣例を意識せずに新しい仕組みが作れるはず」。
高橋の気持ちが切り替わった瞬間だった。そこからは、帳票の確認ではなく、総務の業務フローを把握し、最適なフローを構築することを優先した。現状から考えるのではなく、最適から考える。真の業務改革が始まったのだ。
ただ、総務内で経験のある先輩をはじめ、他部署のメンバーに対しても、総務部分についての意見を聞くなど、一人よがりにならないことも心掛けた。そのバランス感覚があるのも、業務改善を任された理由だ。
自分がわからないことを大切に、
誰もがわかりやすいシステムへ。
同時並行で進めていたIT部分についても同じように考えた。「詳しい人が構築したら、詳しい人にとって使い勝手の良いシステムになってしまう。誰もが使いやすいシステムこそ正しい」。自信を持った高橋は積極的に行動していった。
IT化については、オリジナルのシステムを構築するのではなく、外部のパートナーが提供している既存システムをカスタマイズする方法を選択。開発部分ではなく、運用部分にリソースを割くことを重要視した。高橋自身がカスタマイズ内容を企画し、その使い方を覚え、どこでつまずいたかを記録。それをベースに、全社員を対象とした使用マニュアルを作成していった。
「いきなり2年目で大きな仕事を任されて。これが仕事のやりがいなんだな、ということを肌で感じることができた」と高橋。今もまた、次なるミッションに挑もうとしている。
DAILY SCHEDULE
ある1日のスケジュール
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7:50出社
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8:10メールの確認・対応
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9:00担当する給与関連書類の申請処理
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11:50昼食
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12:50業務改革の資料作成
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15:00関連部署とのミーティング
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17:00退社